金属製コーポレートギフト・記念品選定ガイド:記憶に残る贈り物を選ぶ上で大切な基礎知識

コーポレートギフトとは?

コーポレートギフトとノベルティは同じ?

コーポレートギフト(corporate gift)とは、企業や団体が取引先や従業員、顧客などに対して贈るギフトのことです。日本では販促品として似たような使われ方をする"ノベルティ"という言葉の方が耳馴染みがあるかもしれません。これは英語でNoveltyと綴りますが、本来は"珍しさ""目新しさ"や"新しいもの(事・経験)""珍しいもの(事・経験)"などを意味を持ちます。つまり販促品を意味するノベルティは英語本来の意味ではなく、日本独自の解釈であって和製英語的な用法になります。またノベルティという言葉は広く普及していることから宣伝目的として不特定多数の人に大量に配られる品というイメージがあり、少なからず低コストの消耗品のような印象も付随しております。

コーポレートギフトは広く解釈すれば企業・団体向けの記念品という表現も適しているかもしれません。本記事では企業や団体が取引先や従業員、顧客などに対して贈る価値の高いギフトに特化し、ヨーロッパやアメリカなどの商習慣としても馴染みのある言葉であるコーポレートギフト/記念品として以下記載しております。

コーポレートギフトに込められた意味と目的、種類

コーポレートギフト/記念品には感謝の意を示したり、長い間のビジネス関係を称えたり、特別な機会や成果を祝う目的があります。またコーポレートギフト/記念品は、ブランドのイメージを高めたり、顧客との関係を強化したり、従業員のモチベーションを向上させたりするためにも使用されます。

具体的には企業や団体の開業・設立周年記念品、自動車など高額商品の成約記念品、高級ホテルの開業記念品、各種イベントの記念品など様々な用途で用いられています。

ギフトの種類には、高級文房具、キーホルダー、カードケース、靴べら、バッグ、ポーチ、デバイスケース、万年カレンダー、マグカップ、タンブラー、ギフトカード(eギフトをふく)、食品や飲料etc、またそれぞれをカスタマイズされた商品などがあります。プロダクトでは手渡し出来るサイズ感のものが好まれることが多いです。ビジネスの世界では、これらのギフトを通じて敬意を表し、よりポジティブな関係を築くことが重要とされています。

なぜ金属製コーポレートギフトが選ばれるのか?

金属製コーポレートギフトが人気な理由

金属製コーポレートギフト/記念品が人気の理由はその耐久性と高級感にあります。金属は一般的に他の素材に比べ堅牢であることが特徴の一つです。企業はこれらのギフトを通じて、プロダクト同様に長期間にわたり関係者の記憶に残りより永続的な関係を構築するように努めるというメッセージを込めます。また光沢を帯びた質感と物質的な比重の重さもあり特別な瞬間を象徴するアイテムとして最適です。ギフト/記念品を渡した相手に長期的に使ってもらい関係性を想起させるというメリットもあります。

金属製コーポレートギフトが向かない用途やシーン

金融機関などの営業担当者が年度末に得意先の企業にロゴ入りの紙製の壁掛けカレンダーを持参して挨拶をする光景をよく目にしますが、この場合カレンダーはその年の暦が印刷されている月めくりであり、1年限定で使用するものです。その翌年は別のカレンダーを同様に持参することになります。これはあえてその年限定の消耗品を渡すことで、年度末という時節の接触を確かなものにするという目的があり、また壁掛けカレンダーという社内外の人目につきやすいもので、自社と得意先が取引関係であるということを関係者や場合によっては競合他社の目に触れることで周知する目的もあったりもします。またお中元やお歳暮に代表されるように食品や飲料をコーポレートギフト/記念品として贈る例も多いですが、これらは大人数かつ老若男女に受けいられる目的で選ばれることが多いです。

上記の例に比べて金属製のコーポレートギフト/記念品はまずプロダクトとしての特徴を持つことが前提になります。素材の特性などにより、他の素材に比べて小型のものが選ばれやすい為、分かりやすく人目につく類のものは少数と言えます。また耐久消費財である為に、ライフスタイルやコミュニケーションの関係性や嗜好性に基づいて選ばれることも多いです。老若男女や不特定多数向けには適しているものは限られます。またギフト/記念品によって関係性を周知させたり第三者にアピールする目的に適しているとは言えません。

逆を言えばたとえ企業間のコーポレートギフト/記念品であっても、渡した人と受け取った人がパーソナルで密な関係性を構築するのに適していると言えます。またその耐久性・堅牢性から瞬間的な用途のものではなく長く丁寧に使ってもらうような目的に適していると言えます。

素材の種類とその特徴

金属製コーポレートギフト/記念品にはステンレススチール、銅、真鍮、アルミニウムなど多様な素材が使用されます。ステンレスは耐腐食性に優れ、銅は独特の色合いと色味、真鍮は白みを帯びたゴールド色の上品や輝きと経年変化が魅力です。アルミニウムは軽量で加工しやすく、多くのデザインニーズに応えます。各素材の特性を理解することが、適切なギフト/記念品選びの第一歩となります。

素材に選定に加え、加工方法や表面処理、刻印などの要素を掛け合わせることでより価値の高い、独自性を持つギフト/記念品にすることが出来ます。

アイテムごとの選び方:用途に合わせた選定ポイント

金属製ギフトは、記念品から実用的なオフィス用品まで幅広くあります。受け取る人の職業や趣味、ライフスタイル、そしてギフトの目的に合わせてアイテムを選びましょう。例えば、ビジネス関係者へは名刺入れやペンが、趣味を共有する友人にはカスタマイズされたキーホルダーなどが適しています。

カスタマイズのオプション:パーソナライズされたギフトの価値

カスタマイズは金属製ギフトを一層特別なものに変える手段です。レーザーや機械彫刻による刻印で名前やメッセージ、日付などを入れることにより、受け取る人にとって唯一無二のアイテムとなります。このギフトのパーソナライズ化が、贈り物としての独自性を高め、価値を大きく高める手段の一つです。

パッケージデザインの重要性

ギフトの価値はパッケージによっても大きく変わります。美しいパッケージは、受け取る瞬間の印象を強化し、金属製ギフト本体の魅力を引き立てます。TPOや予算に応じて適切なパッケージを選び、贈る人のセンスをも示します。

 

既製品と特注品

金属製コーポレートギフト/記念品を検討する上で既製品と特注品は、製造や販売のプロセスにおいて大きく異なります。以下に主な違いを説明します:

◇既製品(Off-the-shelf)
定義:あらかじめ製造され、特定の仕様に従って大量生産された製品。消費者は市場で直接購入できます。
・メリット:
即時利用可能:購入後すぐに使用できる。
コスト効率:大量生産により、単位あたりのコストが低くなる傾向があります。
一貫した品質: 製造プロセスが標準化されているため、製品間で品質が一定です。
・デメリット:
柔軟性の欠如: 個別のニーズや好みに合わせて調整することはできません。
一般性:多くの場合、一般的な使用や最も一般的なニーズに合わせて設計されています。

◇特注品(Custom-made)
定義:特定の顧客の要求に応じて製造される製品。顧客の仕様、要望、またはニーズに基づいて個別に作成されます。
利点:
カスタマイズ:顧客の具体的な要求に合わせて製品をカスタマイズできるため、より高い満足度を得られることが多い。
独自性:顧客に合わせて作られるため、一般的な既製品とは異なる独自性を持つことができます。
欠点:
コスト:カスタマイズと個別の生産プロセスは、より高いコストを意味します。
時間:製造には時間がかかり、即時には利用できない場合があります。
品質のばらつき:製品ごとにカスタマイズされるため、品質が一定ではない場合があります。

総じて、既製品は即時利用可能でコスト効率が良い一方、特注品は高いカスタマイズ性と独自性を提供しますが、コストと時間がかかる可能性があります。選択は、ニーズ、予算、および製品に求める特性によって異なります。

選ぶ側として検討する要素としては、まず用途があり、最優先事項として予算・納期・ロット(必要数量)、次点としてカスタマイズ性・独自性 の順となることが多いと思われます。

金属製コーポレートギフト/記念品に関して言えば、仕様決定からの納期が短い場合は既製品をベースにしないと現実的ではありません。製造方法にもよりますがロットが少ない場合も同様です。既製品をベースとした2次加工やパッケージによってコーポレートギフト/記念品とすることも十分選択肢として豊富にあります。

逆に納期に余裕がある場合は特注品も視野に入りますが、金属製品で注意が必要なのはいわゆる金型が必要になるような仕様です。金型も多種多様ですが、百万円を超えるものも珍しくありません。

デザインの創意工夫とエンジニアリングの知識をもってすれば多種多様な加工方法を掛け合わせ、場合によっては金属以外の異素材と組み合わせることで金型を必要とせずにプロダクトを企画製造することも可能です。

これらの情報を参考に、より素敵な金属製コーポレートギフト/記念品を検討してみて下さい。